2016年の賃貸住宅経営の課題と取り巻く市場環境(賃住協)

2016年は不動産投資、そして賃貸住宅経営にとってどのような年になるのか。経済環境の予測
とともに、賃貸経営が直面する課題などについてまとめてみた。
 経済全般を見渡すと、世界的な経済の回復や国内の設備投資、所得の伸びの遅れのほか、消費
税増税の駆け込み需要とその反動などの影響が予測され、「先行き不透明感」が圧力要因となり、
景気の弾みはやや弱い状況にあると思われる。
 具体的に新年における賃貸経営の課題事項について取り上げてみる。
 やはり大きいのは社会問題化している「空き家対策」と賃貸経営における入居率との関連。人
が住まないで放置されている空き家の対策は行政が中心となって取り組んでいるが、賃貸住宅の
空き家は市場の動きを反映した結果であることから、解決には経営側の意向も強く反映している。
 空き家全体の中、賃貸住宅の割合が大きいのは決して放置されているわけではなく、入居決定
に至らない入居者待ちの住宅で、空き年数を重ねると建物がさらに古くなって、入居者の足が遠
のく結果を招いている。
  賃貸住宅の新設が衰えずに市場に供給される状態がここ1~2年堅調で、空き家対策元年とい
われた昨年から、今年は2年目に入り、空き家が増える一方、新築増加で市況がさらに軟調にな
ることから、経営の舵取りがさらに難しくなっている。市場では選ぶ物件数が豊富にあることか
ら、入居条件の交渉が顕在化するなど、今までに見られなかった傾向が年々強まっている。

 賃貸経営にとっての空き部屋対策は入居率向上を指すわけで、今年も入居稼働率のアップを図
る対策とプランニングが最大の関心事となる。このほかにも昨年の積み残しとなっている「民法
(債権関係)改正」や、多様化が進む入居者ニーズに対応する経営などの問題も抱えている。

 ところで今年の注目点として、国家戦略特区において旅館業法を緩和して個人宅や賃貸住宅を
宿泊施設などに活用する「民泊」がクローズアップされている。本格的な運用は法整備や市場環
境を整える必要があり、やや期待感が先行しているが、賃貸経営において意外な変化を見せるか
もしれない。

 

 

 

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