神戸市内のタワーマンション需給状況

近年続く建築費や地価の高騰に伴い、タワーマンションの価格が恐ろしく上昇しています。東京都心や大阪梅田界隈などは、超富裕層でなければ手が届かないような価格に膨れ上がり、多くの方の取得目的が投資対象となっています。

そのような中、神戸市では、2019年7月に都市機能誘導地区を制定し、事実上のタワーマンションの建築規制を行いました。(通称:神戸市タワマン規制)ただ、この規制は神戸市中心部に対しての規制につき、規制エリア外でのタワーマンション建築は可能です。
このタワーマンション規制以降、神戸市では新たなタワーマンションの建設は限定的となり、中古のタワーマンションの流通が主体となっている状況です。
そこで、今回は、現在、神戸市内に建っている中古タワーマンションの流通状況についてご案内させて頂きます。

■神戸市内の行政区別「タワーマンション一覧表」

※今回、「タワーマンション」という定義は、20階建て以上の分譲マンション(賃貸は除く)のみを条件としています。

 

この一覧表を見れば一目瞭然ですが、神戸市内のタワーマンションの約半数が中央区に建っています。その次に多いのが東灘区です。また、一番古い時期に建てられたものは1982年7月建築となっており、既に42年が経過しています。当時、神戸市ではポートピア博覧会が1981年に開催され、地域の経済発展と共にタワーマンション(高層マンション)が建てられた経緯があります。その後、バブル期に開発された六甲アイランドのタワーマンション建設、阪神淡路大震災からの復興建設ラッシュ、それ以降は本格的なタワーマンションブームに乗り、神戸市内の様々な地域でタワマン建設が行われました。

■価格の推移
上記の通り、神戸市内に建つタワーマンションの建築時期は多岐に亘り、当時の流通市場も経済動向も大きく異なります。ただ、新築分譲時の価格と、現在、中古流通市場にて売りに出ている流通価格と比較した場合、新築当時の分譲価格が安価に感じられる傾向があります。例えば、中央区に建つ「シティタワー神戸三宮」は、新築時6千万円程度で分譲していた住戸が、現在の中古流通市場では9千万円を超える価格にて成約されている例もあります。当マンションは平成25年建築につき、築後10年以上経過しているにもかかわらず、1.5倍以上の価格で取引されています。また、東灘区に建つ「御影タワーレジデンス」は新築分譲時4,400万円前後だった住戸が8,000万円超で成約した事例もあります。御影タワーレジデンスは、平成22年建築のマンションにつき、既に築後14年が経過しているのですが、高額な価格で取引されています。神戸市内のタワーマンションの中古価格がこのような推移となっていることから、東京都心や大阪市内などでは末恐ろしい価格上昇となっていることは容易に想像できます。

■今後のタワーマンションの行く末
冒頭に記載の通り、神戸市では中心地域での事実上のタワーマンション建築規制を行っています。理由は、以下の通りです。
①タワーマンション建設ラッシュによる人口減との整合性問題。また、人口減に伴う空き室増加によっての管理費修繕積立金等不足での建物廃墟化の懸念。
②区分所有者の多様化による合意形成が困難になる恐れ。
③災害への対応
④人口都心部集中によるスポンジ化
⑤急な住民増による社会インフラ(学校など)の不足。
などが主な要因です。

上記、理由の一部について、専門家によっては「懸念材料にはならない」という神戸市の見解と反する意見もありますが、これから人口減となっていく社会において、一時的な人口増や都市開発のためのタワーマンション建設では、中長期的に見た時にマイナス影響となるという判断のようです。

ただ、価格推移でご説明の通り、現在のタワーマンションの価格は高くなっています。投資物件として割り切って購入するのか、自己居住として長期保有を目的とするのかによって価値基準や判断は異なります。

神戸市内でタワーマンションの購入・ご売却をご検討の方、ご参考頂ければと思います。

 

 

(関連コラム)

 

・タワーマンションの値上がり、どこまで続く!?
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