不動産を相場より高く売るための方法(①売却のタイミング編)

一戸建・マンション・土地など不動産の売却をご検討になられている方は、当然ながら〝出来るだけ高く売りたい“とお考えになられるでしょう。また、逆に不動産の購入を検討されている方は、〝出来るだけ安く買いたい”と考えていることでしょう。売主と買主の立場の違いによって発生する「相反の利益」。これは、ビジネスや取引における永遠のテーマです。

どのようなビジネスでも値決めや価格設定は、需要と供給のバランスで成り立っていると言っても過言ではないと思います。(いくら調達コストや原価などが高かったとしても、結果、売れないもの(需要がないもの)は赤字やマイナスで売らざる負えないのです。)
そのように中古不動産流通市場の場合も同様、売り物件(供給)と購入希望者(需要)のバランスによって売買価格は変動する仕組みとなっています。よって、不動産を高く売りたければ売り物件が少なく、且つ、購入希望者が多いタイミング(時期)に売り出すのが望ましいということになります。

 

購入希望者(需要)が増える時期
購入希望者(不動産を探している人)が多くなる時期は、年2回あります。先ずは1月中旬頃から4月上旬頃にかけての年度変わりの移動シーズンと呼ばれている時期です。この時期は、俗にいう〝引越しシーズン“とも言われており、購入希望者も増えますが、同時に売却物件も増える傾向があります。ただ、地域によっても異なり、神戸市東灘区・灘区・中央区や芦屋・西宮・尼崎などの阪神間エリアは売却物件よりも購入希望者の方が大幅に上回る傾向です。次に、購入希望者が増える時期は、8月下旬頃から12月上旬頃です。季節的にはお盆が過ぎて秋に入り、冬本番までの間というイメージです。購入顧客心理として、気候が良く過ごし易い季節になると前向きな行動を起こしたくなるのかもしれません。この時期も、不動産を探す人たちが多くなる傾向です。逆に、年間通して購入希望者層が少ない時期というのが4月中旬ごろから8月中旬ごろということになります。(年末年始もあまり動かない。)しかし、神戸市東灘区・灘区などの神戸東部や阪神間エリアなどは、顧客ニーズが多い地域につき、顧客の動きが比較的少ない時期でも一定数の需要はあります。

 

売り物件(供給)が少ない時期
売り物件が少ない時期は、上記の購入希望者が多くなる時期にてご説明させて頂いた1月中旬ごろから4月上旬ごろの“引越しシーズン”以外の時期です。ただ、年間通じて想定的に見ればこの時期は比較的少ない傾向が伺えますが、売り物件の供給量の増減はその時々や地域などによって異なるのが実情です。

 

いつ、どのタイミングで売り出せば良いか。
上記ご説明の通り、購入希望者が増える時期と売り物件が少ない時期を照らし合わせた適正な時期に売りに出すことがベースの考えですが、売却案件を個別に見たとき、必ずしもその時期に売却を行うことが良いとは限りません。一番大切なことは、『高く売りたい物件の競合物件(類似物件)が、その時期に多く売りに出ているのかどうか』又は『幾らぐらいで売りに出ているのか』ということです。その調査方法は、査定依頼する不動産会社が当然調査しますが、本人ご自身で調べることも可能です。方法は、一般の方がマイホーム探しを行う時に物件検索する「アットホーム」「SUUMO」「HOME‘S」などのテレビCMやメディアなどで広告宣伝している不動産ポータルサイトを見れば、ある程度の調査が可能かと思います。そのように調査を行い、競合物件が少なければ、競合物件が多い時期に売り出すよりも流通相場以上の売値で成約に繋がる可能性が高くなります。

 

特に「戸建」や「土地」は高値成約のチャンスあり
売却タイミングによっては、特に高値で成約可能な物件種類は「戸建て」と「土地」です。理由は、戸建てや土地はマンションと比較しても売り物件(供給)が少なく、競合物件が全くないということもあるのです。そのような場合は独壇場となり、言い値に近い価格で成約されることもあります。
また、戸建てや土地はそもそも属性(個性)が強く、購入希望者の希望条件と合致すれば高値成約に繋がることも理由の一つです。

 

高く売りたければ高値成約の追及を続ける(高値で売り出しを続ける)
当初は相場よりも高値で売りに出していたが、成約の見込みがないために価格を下げて再販売開始した。しかし、それでもまだ売れないので再度値下げして販売して成約した・・、というケースは珍しくありません。勿論、結果的に値下げして良かったというケースもあると思います。しかし、その購入者は値下げした価格でなければ本当に買わなかったのでしょうか?「競合物件の価格と比較して安価と思ったから買った。」又は「予算の上限だったので購入した。」という明快な理由であれば、納得も出来るでしょうが、特に競合物件も無く(又は、競合物件が少なく)、中々売れなかったので価格を下げて(2回も)たまたま売れた・・、ということであれば、その購入者は当初の価格でも購入していた可能性があります。不動産売却では、案外、高値で売れていた可能性が高かったというケースも多いのです。
近隣の不動産流通事情を見ながらという前提ではありますが、高値追及を続けるということが、不動産を高く売るための基本的な考え方となります。尚、この考え方も特に「戸建て」や「土地」の売却時に効果的です。

 

まとめ
購入希望者が多く、競合物件が少ないタイミングに売り出せば物件の注目度は増し、高値でも成約への可能性が高まります。また、高値成約の追及を可能な限り続けることが「高く売るタイミングを逃さない」という基本的な考えも大切です。特に「戸建て」や「土地」は競合物件が少ないという不動産流通の特有を活かし、売却タイミングによっては想定以上の高値売却が可能な場合があります。今回、不動産を高く売るための要因の一つとして、「売却のタイミング」を取り上げました。この考え方は、売却スピードを重視しておらず、時間をかけてでも高値売却を追及する方法です。次回は、違う角度から不動産の高値追及を目指した売却方法をご案内させて頂ければと思います。

 

最後に、
私たちトップライフの主な活動エリア神戸市東灘区・灘区・中央区などの神戸東部及び、芦屋市・西宮市などの阪神間の中古不動産流通市場の需給バランスは、需要過多(購入希望者は多いが売り物件が少ない状態)が慢性化しています。
よって、年中どのタイミングで売りに出しても高く売れる可能性があります。

 

 

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