ご自身のライフスタイルや家族構成などの変化に伴い、マイホームの買い替えを行う方が増えています。昔は「マイホームは一生に一度のお買い物」と言われていましたが、近年は、結婚期・子育て期・シニア期など、それぞれの生活環境に合わせて住み替えるのが自然となっています。また、買い替えには人それぞれの事情や要望によって、進め方が大きく異なります。今回は、買い替えをご検討の方のご事情に合わせた進め方をご案内させて頂きます。
買い替えケース①
■売却先行型
売却先行型の買い替えは、以下の流れになります。
現在お住まいの住宅の売却
↓
仮住まい
↓
新居購入
メリット）
・現在お住まいの住宅を売却した後に、じっくりと新居探しができる。
・二重ローンを組む必要が無い。
・現在借りている住宅ローンを精算（完済）することによって、新居購入の資金計画が立て易い。
・遠方からの買い替えの場合、新居購入予定地域内で仮住まいをすれば、購入物件探しや物件情報収集がし易くなる。
デメリット）
・仮住まいに伴い、引っ越しを２回しなければならない
・仮住まい期間の賃料等がかかる。
以上が、売却先行型のメリットやデメリットとなります。
最大のメリットは現在お住まいの住宅を事前に売却することによって、新居購入資金の調達や計画が立て易くなることです。お住まいになられている住宅の住宅ローンが残っている状態で買い替えを検討される方も多く、特にそのような場合は既存の住宅ローンの精算が（完済）がポイントとなります。また、住宅ローンの残債などが無い方でも、売却代金を購入資金に充当する買い替え資金計画を立てているケースでは、売却と購入の資金が連動することから、事前に売却することによって購入資金を保有しておくことが出来ます。
次に、デメリットについては、仮住まいが必要となることです。一般的に仮住まいは賃貸住宅に住むことが考えられます。そのような場合は仮住まい期間の賃料などが発生することとなります。
売却先行型での買い替えに適している方。
・現在お住まいの住宅（売却予定住宅）に住宅ローンが残っている方。
・現在お住まいの住宅の売却代金と新居購入資金との連動性が高い方。
・新居をじっくりと探したい方。
買い替えケース②
■購入先行型
購入先行型の買い替えは以下の流れとなります。
新居購入
↓
新居へお引越し
↓
お住まいになられていた住宅の売却
メリット）
・引っ越して空き家となった住宅を売り急ぐ必要がない。
・仮住まいをする必要がない。
デメリット）
・別途、新居購入資金調達が必要。
（場合によっては、二重ローンを組まなければならない）
・住宅二件分の維持費が掛かる。
以上が購入先行型のメリットやデメリットです。
購入先行型の場合、先に新居を見つけて引っ越しを行うため、売却先行型のように仮住まいする必要がありません。また、以前に住んでいた住宅も既に空き家となっていることから、焦ることなく売却活動することができます。但し、一時的に住宅を二件所有することとなるため、二倍の維持費が掛かります。また、もう一つのデメリットとして、新居購入資金を別途、用意する必要があります。尚、資金調達の方法は、住宅ローン（場合によっては二重ローン）を借りたり、預貯金の取り崩しなど、その方の資金事情により異なります。
購入先行型での買い替えに適している方。
・資金計画にゆとりのある方
・二重ローンが組める方（一時的に組める方も該当）
・引っ越したご自宅（空き家）を売り急ぎたくない方。
・仮住まいをしたくない方。
買い替えケース③
■売却購入同時進行型
売却購入同時進行型の買い替えは、以下の流れになります。
ご自宅の売却・新居購入（同時進行）
↓
ご自宅の明け渡し・新居へ引っ越し（同時）
メリット）
・一時的な資金調達をする必要がない。
・仮住まいをする必要がない。
デメリット）
・売却先が決まれば、売却時期に合わせて新居を決めなければならないため、妥協した新居購入となる可能性あり。
・購入物件が決まれば、購入決済時期に合わせてご自宅を売却しなければならないため、安価な売却となる可能性あり。
以上が、売却購入同時進行型のメリットやデメリットとなります。
何と言っても最大のメリットは、売却・購入を同時に行うことで資金調達や仮住まいなどの無駄を省けることです。マイホーム買い替えの理想形です。ただ、現実的に売却先と購入物件がほぼ同時に見つかることは難しく、先に決まった方（売却or購入）にもう一方（売却or購入）を合わせることとなり、結果、売却・購入いずれかを大幅に妥協して同時進行させるケースが多いのが実情です。
売却購入同時進行型の買い替えに適している方
・余計な資金調達を避けたい方
・仮住まいをしたくない方
・資金計画のゆとりがない方
まとめ
以上がマイホーム買い替えケース別メリット・デメリットです。また、参考までに、買い替え検討者の事情や意向によってどのケースをベースに進めて行くのが望ましいかをご案内させて頂きました。
マイホーム買い替えの最大のポイントは、『タイミング（時期）』です。購入物件が見つかるタイミング、売却先が見つかるタイミング。このタイミングによって、当初、計画していた買い替え資金計画の変更が必要となる場合も珍しくありません。
私たち（筆者）が住宅売買等の活動拠点として地域は、神戸市東灘区を中心とした神戸東部及び阪神間です。このエリアの住宅流通事情は、購入希望者は多くおられるのですが、売り住宅が少ないのが特徴です。そのような地域事情から買い替え計画を考えると、「売却は容易なので先に新居探しから開始する＝購入先行型」など、その地域の住宅事情もマイホーム買い替え計画の材料とすることで、よりスムーズな買い替えの実現に近づきます。
皆様の意向や事情とその地域の住宅事情を勘案して、それぞれに合ったケース（売却先行型・購入先行型・売却購入同時進行型）で理想のマイホーム買い替えを適えましょう。
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