住まなくなった家は、定期借家契約で有効活用!

近年は、「住まなくなった家」や「利用していない家」などを
賃貸活用する方が増えています。
家を賃貸する場合、一般的には2年毎の自動更新となる
「普通借家契約」にて賃貸活用するケースが多いのですが、
その場合、賃貸人側からの解約申し入れが事実上出来ず、
賃借人側からの解約申し入れからのみ解約可能という、
「理不尽」な契約形態となります。
理由は、住宅(住居)は、生活基盤として最も大切な日常生活の要につき、
借地借家法上で賃借権として手厚く賃借人が保護されているからです。


 

しかし、賃貸人から見れば、普通借家契約で賃貸すると、
その家に対する将来的な計画が立てられず、
コントロール不能となってしまう恐れやリスクが潜んでしまいます。

そこで私たちは、そのような賃貸人側の賃貸リスクを軽減するために、
住まなくなった家を「定期借家契約」での賃貸活用を推奨し、
実際の活用についてお手伝いさせていただいております。


 

そもそも「定期借家契約」とは、“期間限定で家を貸す”という制度です。
「期間限定」といっても数か月という単位ではなく、
実際は数年単位で賃貸行います。
期間限定ということは、その契約期間が満了となれば契約が終了し、
空き家となって戻ってくるため、その後の売却や自己利用など、
その家に対する将来の計画が立て易くなります。

 

そこで、実際に私たちがお手伝いさせて頂いた定期借家契約の事例をご紹介させて頂きます。


 

事例①)転勤のため、5年間の定期借家契約で有効活用。

新築住宅を購入して2年後に九州に転勤となったA様ご家族。
住宅ローンの返済や、子供たちの学校のこともあり、
当初は単身赴任で行くことも考えたのですが、ご家族での引っ越しを決断。
将来的なことを考えれば、再度、社内辞令でまた戻る可能性が高いことから、
売却は検討したくないとのこと。
しかし、住宅ローン返済のことを考えれば空き家のままにしておくことも出来ず
賃貸活用を検討したところ、「定期借家契約」を利用。
この制度であれば、将来、ご自身ご家族が転勤から戻って来たときに、
再度、居住することが可能につき、5年間の定期借家契約を利用した賃貸にて有効活用行う。

ポイント)
このケースでは、再度、転勤からご自宅に戻ってくる可能性が高いため、
売却は選択したくないことと、住宅ローン返済があり、
有効活用を希望されていることで定期借家契約を選択されました。

 

事例②)相続した実家を10年間の定期借家契約で活用。

築40年経過している木造一戸建、昨年に相続。
自分や家族はこの住宅には住まないので売却処分や有効活用など検討したところ
建物が利用可能な限りは賃貸活用行い、その後に売却することが効果的な活用と考える。
そこで建物自体はあと10年程度利用可能と判断し、
10年間の定期借家契約で活用後、売却処分することにした。

ポイント)
建物の築年から見た建物利用価値や賃貸リスク(修繕リスク)を勘案し、
賃貸期間を10年と設定。また、賃貸期間満了後は売却処分という計画もあることから、
当初から、定期借家契約での賃貸活用を検討。


 

このように、賃貸人様の目的やご事情に応じた活用方法が可能となることで、
対象となる住宅に対して将来的な計画が立て易くなることが、
この「定期借家契約」の最大の特徴であり、メリットです。
また、契約期間についても2~3年の短期から10年超の長期間まで、
賃貸人様の要望に合わせて任意に設定が可能です。
(※1年程度や1年未満の契約期間の設定も可能ですが、
「住居」という観点から、短期間の利用ニーズは限定的です。)


 

この「定期借家契約」の特徴として、契約期間が短くなれば賃料設定が低くなります。
目安としては、一般的な「普通借家契約」で締結する賃料を基準とした場合、

5年定期借家契約での賃料設定は、「普通借家契約」の賃料×90%程度
3年定期借家契約での賃料設定は、「普通借家契約」の賃料×80%程度

となります。
理由は、賃借人側から見れば、期間満了の際、原則、他の住宅を探して
引っ越さなければならないため、その費用を予め想定しておかなければならないことが
最大の理由です。また、逆に、期間満了により引っ越さなければならないことが理由により
安く借りることが出来るということで利用ニーズが生まれます
ただ、例えば10年超の長期にわたる契約期間の場合は、
賃借人側もご自身のご事情により期間満了までに引っ越す可能性が高くなることから、
一般的な「普通借家契約」と同程度の賃料設定が可能です。


 

賃貸人側にとっては将来的な計画が立て易い「定期借家契約」ですが、
この制度は、当初に定めた契約期間満了まで必ず契約が継続されるとは限らず、
賃借人からの解約申し出によって契約期間途中で契約が終了する可能性があります。
例えば、対象の住宅を5年後に自分達が利用することを想定して、
5年間の定期借家契約を締結した場合、賃借人側のご事情により
2年で契約が終了すれば、残りの2年間は空き家となります。
その際は、今度は2年の定期借家契約として新たな入居者を募るなどで賄うこととなります。
そのように、あくまでも、定期借家契約期間は「最長契約期間」という位置付けとして、
予めご理解いただく必要があります。


 

平成12年3月にこの「定期借家契約」が創設されました。
創設された当初は、利用者はとても少なく、
その後も不動産賃貸市場に定着しない期間が長く続きました。
しかし、平成28年に施行された「空き家等対策特別措置法」により、
空き家の有効活用を促す効果と共に定期借家契約の制度利用も増え始め、
今では多くの方が利用される制度となっています。
この制度を上手く活用することで、「住まなくなった家」や「利用していない家」などの
有効活用が容易に可能となり、空き家活用からの資産形成や効果的な資産維持にも繋がります。

今後、益々増えてくることが予想される「住まなくなった家」や「利用されていない家」。
家や土地は所有しているだけでは価値は生まれません。
手軽に使える「定期借家契約」を活用して、ご所有の家の“利用価値”を見出してみませんか。

 

 

 

 

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