東灘区御影・住吉周辺地域の住宅・不動産の価格上昇、いつまで続く!?

一昨年ごろから上がり続ける物価、私たちの日常生活に大きく影響を及ぼしていることは言うまでもありません。食品・エネルギー・部品(パーツ)など、あらゆるものの価格が上がっていますが、不動産も例外ではありません。しかし、不動産の場合は、他の商品やサービスとは異なり、地域事情というものが大きく影響するため、上昇率などについては、地域格差が大きいことが特徴です。

そこで、今回は私たちが拠点とする、神戸市東灘区御影・住吉地域の不動産上昇状況について、具体的にご紹介させて頂ければと思います。

■東灘区御影周辺のマンションの価格上昇について
マンションにお住まいの方は、自分が住んでいるマンション販売チラシがよく自宅の集合ポストに投函されていることから、ご自身でもご自宅マンションが現在、幾らぐらいで売れるのかは概ね想像できる方も多いでしょう。

例えば、新築分譲時に5,420万円で売られていた「エヌヴィ御影中町レジデンス」(H27年建築・約80㎡)が、令和4年11月に5,930万円で成約されました。また、同じく、新築分譲時に4,862万円で売られていた「エルグレース御影中町」(H26年建築・約75㎡)は、令和5年2月に5,380万円で成約されました。

「エヌヴィ御影中町レジデンス」
新築分譲価格5,420万円⇒R4年11月の成約価格5,930万円⇒上昇額510万円
「エルグレース御影中町」
新築分譲価格4,862万円⇒R5年2月の成約価格5,380万円⇒上昇額518万円

両マンションとも築10年未満の比較的築浅物件となりますが、築後7~8年程度経過しており、建物の減価償却のことを考えれば資産価値が下がっているのが普通です。また、新築分譲価格と成約価格が同じだった場合でも、減価償却のことを考慮すれば実質の値上がりと同じです。にもかかわらず、実際の成約価格が新築分譲価格よりも500万円以上高く取引されているのです。
また、阪神御影駅前の「御影タワーレジデンス」(H13年建築・約75㎡)は、新築分譲価格が4,320万円だったにもかかわらず、令和4年11月の成約価格が6,880万円となり、2,500万円以上の価格上昇となりました。

■東灘区御影周辺の一戸建(土地)の価格上昇について
一戸建てや土地の場合は、物件の属性が強いことから、相対的に比較することが難しいですが、昨年末に取引された阪神御影駅から徒歩約5分の一戸建の事例が以下の通りです。

新築時価格3,880万円(平成20年築(木造)・土地約18坪)
          ⇒令和4年12月取引時の成約価格4,400万円⇒上昇額520万円
(上記事例は、新築分譲に購入された方が子供達の独立を期に、生活スタイルの変化に伴いご売却されたことから、同一物件の売却比較が可能となりました。)

築15年経過した木造一戸建て住宅が新築分譲時よりも500万円以上高く取引されているという事実、本物件は特に珍しいケースではなく、人気のある地域であればこれ以上の上昇率で取引される物件もあります。


■何故、ここまで住宅・不動産価格が上昇したのか

昭和の終わりから平成元年にかけてのバブル景気時代ほどの不動産価格上昇率ではありませんが、近年の住宅・不動産価格の高騰には大きく分けて2つの要因があると言われています。

要因①建築資材高騰に伴う建築費の上昇
建築費の高騰の理由は「ウッドショック」「アイアンショック」「オイルショック」によるものと言われています。「ウッドショック」=「木材不足による木材の価格上昇」。「アイアンショック」=「鉄鋼不足による鉄鋼の価格上昇」。「オイルショック」「石油上昇によるエネルギー関係費用の上昇」。これは、世界的経済の問題につき、今後も当面続くと予想されています。

要因②金融緩和に伴う不動産市場への投資
日本国内には、お金が大量に流通されています。よって、普通預金に預けても利息などあって無いようなものです。コロナ禍という状況に伴い、「経済の下支え」という目的で、政府が国債を発行し日銀がその国債を買い取り、世の中にお金を流通させています。その資金の一部が不動産市場に流れ、不動産バブルのような現象が起きているのです。

要因③「日本買い」が行われている。
ニュースなどでも取り沙汰されている通り、長年、日本はデフレ経済が続きました。その間の世界各国は、著しい経済成長を遂げ、物価や地価がどんどん高くなり、海外から見た日本の不動産(地価)が安くお買い得な状況となりました。そのようことから外資や海外マナーの流入によって、日本の不動産価格が上昇しました。

■東灘区御影・住吉周辺地域の今後の住宅・不動産市況は!?
上記にてご説明の通り、住宅・不動産の価格上昇の要因は、世界的な建築関係資材不足と国内の金融緩和政策、並びに海外マネーの流入によるものです。当然ながら、建築費用と土地価格の両方が上がれば不動産の価格が大幅に上がるのは理解できます。しかし、そのような状況でも、以前から見て価格が大幅に上昇した地域と小幅な上昇の地域、また価格が下落している地域に分かれます。その差のキーワードは「利用ニーズ」です。例えば、私たちの身近な御影・住吉エリアで例えると、「坂道がある地域」と「フラット(平坦)な地域」で分かれます。東灘区は南北に長く地域形成されています。六甲山の麓から浜手エリアまで直線距離で約7Kmあります。(渦森台から六甲アイランドまで)その中でも、山手エリアの坂道がきつい地域の需要が減少し、近年の住宅・不動産上昇トレンドとは異なる市場流通となっています。今後、益々進んでいく少子高齢化社会に伴い、このような地域は下落傾向へとなり、フラットアクセスの地域との価格差がますます広がっていくことが予測されます。

私たちにとって身近な街、東灘区御影・住吉地域の住宅・価格動向も、世界経済や国内の経済政策という大きな波によって左右されています。私たち、街の不動産会社は、ご相談頂くお客様に対して、現在の不動産市況とお客様のご事情・ご要望を総合的に勘案したベストなご提案を行うため、この街の不動産動向を敏感に感じ取るように心掛けています。

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