これなら実践可能!空き家や空き地の活用方法(神戸市編)

住まなくなった空き家や相続した実家など、全国には約830戸以上の空き家が存在します。また、神戸市内でも10万戸以上の空き家があり、今後も益々増えていくことは容易に想像できます。これだけの空き家が存在するということは、多くの方が空き家の活用方法や管理面についてお悩みになられているという側面もあります。
そこで、今回は空き家の活用方法等について、より実践的な方法や神戸市が行っている施策(補助サービスなど)を交えてご案内させて頂きます。

■空き家の活用方法
①民間の一般賃貸物件として活用する。
この方法が空き家活用として一番多く利用されている手段です。街の不動産会社に相談してお持ちの空き家の賃料条件などを決定し、賃貸市場にて入居者募集行います。そして、入居者が決まれば賃貸借契約を締結し、賃貸活用が開始されます。このように民間の一般賃貸物件での活用は、賃貸需要が多い神戸市東灘区・灘区・中央区などにある空き家が効果的です。

②公的な賃貸制度「マイホーム借上げ制度」を活用する。
これは、一般社団法人移住・住みかえ支援機構が国の基金を活用して空き家をお持ちの方から一定の賃料で借上げ行い、それを一般ファミリー層などに賃貸する方法です。
この活用方法は移住・住みかえ支援機構が最長「終身」まで空き家を借り上げてくれるため、所有者の方は安心して活用・管理をお任せできます。また、このように借上げて安定した活用方法は、賃貸需要が少ない地域などにある空き家が効果的です。

③解体・更地にして駐車場や貸し土地として活用する。
古くて損傷が激しい空き家の場合、建物自体の活用が困難となります。また、活用できたとしても、改修工事などの費用が多大に掛かるケースも同様です。そのような状況の空き家は、解体更地にして月極駐車場や土地一括賃貸等の活用方法が望ましいです。また、解体業者選定については、解体後の駐車場募集などを依頼する不動産会社などにご相談することを推奨します。

 

■神戸市が行っている空き家や空き地所有者等に対する補助事業

神戸市では、空き家をお持ちの方がご活用いただける補助事業が複数あります。それぞれの補助事業には各種条件がありますが、条件に該当する空き家や所有者の方は、是非、活用下さい。

①空き家地域利用片付け支援事業(家財処分費補助)
内容)空き家を周辺地域のために活用することを目的とする場合、室内に残っている家財道具などを処分・整理するために最大20万円の費用を補助。

②空き家・空き地維持費用補助事業(固定資産税相当額等補助)
内容)空き家や空き地を地域のために活用する団体等に無償で貸した場合、固定資産税や維持費等上限100万円まで補助

③空き家・空き地初期費用補助事業(仲介手数料・登記費用補助)
内容)空き家や空き地を地域のために活用する団体等に賃貸・売買など行う際、発生する手数料や登記費用等の諸費用を最大50万円まで補助。

④空き地整備補助事業(整備費補助)
内容)空き地の整備を行い、地域活動の団体が2年以上活用するためにその空き地の整備を行う費用を最大100万円まで補助。

⑤空き家地域利用リノベーション補助事業
内容)空き家を地域利用するための改修工事費用の補助。また、空き家一棟ごと地域利用するだけではなく、居住やお店をしながら一部を地域のために利用するだけでも使えます。補助額最大100万円。

⑥空き地活用応援制度(隣地統合補助)
内容)単体の土地としてでは活用などが困難な土地を、隣地と統合し一体として利用する場合の統合にかかる費用を上限50万円まで補助。

⑦神戸市老朽家屋等解体補助事業
内容)昭和56年5月31日までに着工された主要構造部に破損や腐敗のある家屋を解体する場合、上限金額100万円まで補助。

⑧すまいの耐震診断員派遣制度
昭和56年5月31日までに着工された住宅に耐震診断行うために、無料で耐震診断員を派遣します。また、後日、耐震診断調査報告書を提出し、内容の説明やアドバイスを行います。

⑨耐震改修をするときの補助制度
内容)昭和56年5月31日までに着工された住戸建住宅等の耐震改修設計や耐震改修工事を行う場合、一定額の補助を行う。

※上記の各補助事業は令和5年度時点にて発表されているものにつき、翌年度以降については未定です。また、当年度でも予算の都合上、年度中に事業終了となる場合もあります。

 

神戸市内でも、東灘区・灘区の一部で密集市街地があり、この補助事業を活用して空き家活用を行っている所有者の方もおられます。しかし、解体や耐震関係の補助事業を除き、多くがその空き地や空き家が所在する地域のために利活用することが条件となっており、補助事業が使用しづらいのが実情です。特に、東灘区などの賃貸活用ニーズが多いエリアでは、補助金を受けるよりも一般で賃貸活用する方が断然に効果的です。よって、一般では活用が困難な空き家や空き地をお持ちの方が対象となる補助事業がメインとなります。

■まとめ
空き家や空き地の活用法については、
「①一般の賃貸物件として活用」 
「②公的賃貸マイホーム借上げ制度の利用」
「③更地にして駐車場や土地一括貸しでの活用」
が主な方法です。また、上記①②③の活用が困難な物件については、神戸市の補助事業を使い周辺地域ために活用するというのが現実的な方法です。お持ちの空き家や空き地を出来るだけ効果的に活用するために、お近くの不動産店へご相談されることがスタートです。

 

 

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